ボルヌ首相は2日夜、国営テレビ局フランス2とのインタビューに応じて、年金改革について説明した。首相はこの機会に、投票を経ずに議会に法案を採択させることを可能にする憲法上の手段(いわゆる49.3)を、年金改革法案について行使する可能性を否定。また、定年年齢の引き上げ(62才から64才へ)により、高年齢層の失業が増加する可能性があることについて、高年齢層の雇用状況を企業単位で評価する指標制度をあわせて導入する予定であることを説明した上で、この指標に依拠して成績の悪い企業に対して制裁措置を適用する可能性に初めて言及した。首相はまた、早くから就労を開始した人や女性の場合には改革が不利益をもたらすケースがあることを認めて、これらの点で改革案の手直しに応じる考えを再確認した。首相はその上で、年金改革は現行の賦課型の年金制度を維持するために不可欠だと強調、段階的に就労期間を長くしてゆく改革の実現で譲らない姿勢を示した。
労組側はボルヌ首相の発表について、新味のない内容だとして批判。改革派労組のCFDTのベルジェ書記長も、7日(火)に予定される次回の抗議行動の規模を拡大して政府に対して譲歩を求める必要があると言明、抗議行動への参加を呼びかけた。