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マクロン大統領、職業高校の改革案を公表

マクロン大統領は4日、職業高校の改革案を公表した。9月の新学年開始より段階的に施行する。
職業高校の制度改革は、しばらく前からマクロン大統領が特に前面に打ち出している取り組みだった。大統領は、年金改革で悪化した国民との関係を改善する足場の一つとする考えとみられる。立法措置によらずに実施が可能であるため、過半数を持たず、年金改革を巡る混乱を経て国会運営が一段と厳しくなる中で、改革継続の姿勢をアピールできるという効果もある。
職業高校の生徒数は62万1000人を数えるが、普通科高校に比べて低く見られがちであるのに加えて、企業と国民経済の必要に密接した技能者を育成することに失敗しているという批判の声も根強くある。他方、職業高校の生徒に奨学生が占める割合は4割程度に上っており、これは、生徒が低所得層に偏っていることを示唆している。管理職の子どもが占める割合も3%と低い(普通科高校などでは26%)。政府はこうした状況に配慮し、改革の目玉として、教育の一環で企業において行われる研修に、国が給金を支払う(1週間に50ユーロ程度となる模様)ことを提案。研修期間も、現在の22週間(3年間の就学期間の合計)を、50%程度増やすことが計画されている(1月より実施)。さらに、企業や経済界の人材需要を反映する形で、地域ごとに職業高校の専門課程の見直しを進める方針も示した。マクロン大統領はまた、生徒への支援などの新たなミッションを教員に託す任意制度の導入を予告。これに応じる教員には年間で7500ユーロの増給(現金給与総額ベース)を認めると約束した。年間10億ユーロの費用増に相当するという。
現場の教員からは、研修強化で教育の主導権を奪われることへの反発や、見直しにより職が失われることへの不安の声などが上がっている。

KSM News and Research